京浜港を基盤とする海貨業者の日成(廣瀬史雄社長)のタイ現地法人、日成インターナショナル(NIC)は今年から、タイ大手財閥のCPグループに対して小口貨物の市内配送に使う保冷箱の納入を開始した。CPグループとの取引開始により、商流ビジネスの拡大を図っていく。
日成グループではこれまでタイで北海道の和牛を輸出・販売するなど、商流サービスに力を入れてきた。日成グループが出資するバンコク市内の冷蔵倉庫会社では、引き合いが多く満杯になっており、年内にも倉庫増設工事に着手する予定という。
日成グループが取引するのは、CPグループで卵や牛乳、冷凍食品などを販売する小型食品店「CPフレッシュマート」。自社店舗のほか、バイク便による配送サービスも行っている。
今回、NICはCPフレッシュマートがバイク便で使う保冷箱を納入する契約を結んだ。この保冷箱には、日成が販売している高機能保冷剤メカクールを入れることで、安定した保冷機能を維持する。まずはCPフレッシュマートから保冷箱100個の注文を受けており順次、納入を始めているという。
CPグループ以外からの引き合いなどもあり、メカクールを含めて保冷資材の販売にも注力。メカクールについてはEコマース(電子商取引)経由を含めて月間500枚程度の販売実績があるという。
日成が出資するバンコクの冷凍冷蔵倉庫会社であるCTIコールドチェーン(CCC)は、タイ物流CTIが設立。2017年末から稼働を開始し、3温度帯(常温、冷蔵、冷凍)に対応している。バンコク市内中心部という好立地を生かし、旺盛な需要を取り込んでいる。また倉庫に加工ルームを設置しており、日成が日本から輸入した和牛を冷蔵倉庫に保管しながら、必要に応じて加工して市内レストランに配送している。
好立地ということもあって引き合いも多く、施設でもっとも大きなスペースを持つ冷凍倉庫は満杯となっている。このため、敷地内に新たに冷凍倉庫を増設する方針で、規模としてはパレット保管枚数で800-900枚程度になるという。年内にも着工する予定となっている。