カーゴニュース(2017年8月29日発行)「弊社、タイでコールドチェーン関連業務に関する記事」が掲載されました。

タイでコールドチェーン関連業務拡大 …現地の大手食肉卸業者と提携…

 日成(本社・東京都港区、廣瀨史雄社長)では、タイでのコールドチェーン関連業務を拡大する。同社の現地の合弁パートナーである中堅コングロマリットCTI Holdings CO.,LTD.(CTI社)と現地の大手食肉卸業者が設立した合弁会社が冷凍・冷蔵倉庫を8月から稼働させた。

 日成は北海道富良野和牛を中心とした日本産品のタイの大手食肉卸業者への輸出を行ってきたが、この冷凍・冷蔵倉庫へ高機能保冷剤「メカクール」および関連資材を提供。この倉庫を基点にバンコク中心地でのディストリビューションセンター事業への参画を計画しており、渋滞の激しいバンコク市内の配送では、従来の小型リーファー・トラックでの配送に比べ「メカクール」と専用ボックスを活用したバイク便サービスは大きな効果がある。

 日成では2014年8月にタイ現地の事業パートナー候補であったCTI社のオフィイスに社員を出向・常駐させた。バンコクのレストラン・物流業者等への「メカクール」のテスト納入から顧客開拓を進めてきたが、バンコクの老舗の日本食レストラングループ及び納入業者などに採用されてきた。

 タイ事業の市場の見込みがついたため、16年5月3日に商流・物流ビジネスを目的とした現地法人「NISSEI INTRENATIONAL CO.,LTD.(NIC)をCTI社と合弁で設立。「メカクール」をはじめ現地の流通ニーズを先取りした物流資材の販売など、商流と物流を融合させた新たなビジネスモデルの確立を進めている。

 アジアの日本食ブームを背景に、政府の後押しのもと日本食材の現地への輸出が商機となっているが、販路の確保が課題。NICでは物流、商流の両面からサポートし、現地での輸入手続きを迅速・確実に実施するとともに、エンドユーザーへの確実な販売を担保できるのが強みとなっている。

 なお、日成の現地子会社の合弁先のCTI社はタイの「フリートレードゾーン内の倉庫」での輸出入業務・ディストリビューション機能に加え、GPS付きのトラック100台を保有し、クロスボーダー輸送を行っている。今後、同社と連携し、タイ地方都市や、経済成長とともに日本の食文化の浸透が見込まれるカンボジア、ラオス、ミャンマーへのコールドチェーン業務の拡大も視野に入れる。

 廣瀨社長は「日本食材の海外輸出が増えているが、中堅物流会社が大手と同じことをやっていてもダメ。商流を絡めることで差別化し、最終的には本業である物流業務に結び付けたい。まずはタイで合弁先とともに事業の成功モデルをつくり、それを突破口として近隣諸国への展開を目指す」と話している。