カーゴニュース(2017年10月19日発行)「Nissei International Co.,Ltd、タイでの新倉庫稼働に関する記事」が掲載されました。

日成(本社・東京都港区、廣瀬史雄社長)は、タイの現地企業が設立した冷凍冷蔵倉庫会社に資本参加し、11月の新倉庫稼働に合わせて同国で保管から配送までのコールドチェーン業務を本格的に開始する。バンコク市内中心部という好立地にある新倉庫を拠点として、食品の保管・配送サービスなどを提供する。またタイだけでなく順次周辺国にもコールドチェーンを軸にした事業を拡大を行う。

タイの物流大手のCTI社と、大手食肉卸業者として地元で長年信頼の高いUdom Supply社が設立したCTI Cold Chain(CCC)に日成は資本参加した。

日成のタイ現地法人であるNissei International Corporation(NIC)の廣瀬晋也MD(マネージング・ディレクター)はCCC社の役員も兼務しておりCCC社の経営にも参画する。
CCC社は現在、バンコク市内の中心部に冷凍冷蔵倉庫を建設中で11月にも稼働開始を予定する。倉庫の延べ床面積は4000M2、3温度帯(常温、冷蔵、冷凍)に対応。セミオートラックを導入し、パレット収容能力は4000枚。

タイ政府の規制で、バンコク市内中心部から20キロ圏内では、大型冷凍冷蔵倉庫の新設は禁止されているが、CTI社とUdom社はタイの大手企業ということもあり、当局からの特例でバンコク市内の中心部のクロントイ地区(クロントイ港から近い)で大型冷凍・冷蔵倉庫を建設できた。

バンコク市内中心部に20キロ圏外の大型冷凍冷蔵倉庫から食品などの冷凍冷蔵貨物をバンコク市内に配送する場合、交通渋滞の影響で現状では1日1~2往復が限界となっており、納入時間の遅れ、長時間の停滞により運送中に食品などが劣化することが起きている。その為にバンコック市内の中心部に配送用の小型冷凍・冷蔵倉庫ハブを検討している業者もいる。

CCCの施設は市内中心部に位置しまたNICが取り扱っている定温輸送機器「クールボーイ」(保冷箱&保冷剤)を使ったバイク便で配送するので1日何度もの往復が可能であり食品などの冷凍冷蔵貨物の配送拠点としては絶好の立地となる。 CCC新倉庫での取り扱い品目は、食肉、水産品、アイスクリーム、シュークリームなどの食品類が主となる。
Udom社は大手食肉卸事業者で既にホテル・レストラン・高級スーパーなどに多くの口座を持っているのでCCC倉庫の集荷には自信を持っている。
日成は、タイでは保冷機器などの販売に加え、富良野和牛(2016年北海道産黒毛和牛品評会No,1)を毎月大量に輸出しており、CCC倉庫を保管場所兼配送拠点として活用する。
CCC倉庫から市内レストランへの配送ではNICの定温輸送機器「クールボーイ」(保冷箱&保冷剤)を搭載したバイク便で行う。まずはバイク便10台からスタートし、需要に応じて増便する。
CCC倉庫では冷凍冷蔵倉庫のほか、敷地内に4-5階建ての事務所棟を建設するが、事務所棟には、食肉の加工場やパッキングなども入る。また1階には各種食肉サンプルと加工方法を指導するレストランもつくる(日系を予定)。事務所棟はこれから着工し、来年末の稼働を予定している。

 
●Nissei International Corporation(NIC)がFDAライセンスを取得。

Nissei International Corporation(NIC)は、タイで冷凍食肉と冷凍水産品を輸入出来るFDA(食品医薬品局)の輸入ライセンスを取得したので今後はNICが日成本社も含み日本からの冷凍食肉と冷凍水産品の輸入業務

を行えるようになった。

日成では現在、富良野産黒毛和牛を毎月大量に、タイの輸入販売業者に輸出しているが、今回のFDAライセンス取得により、今後はNICがタイでの和牛の輸入者となり、日成グループが発着地で一環して取り扱える体制が整った。
日成が輸出している富良野産黒毛和牛は、11月から稼働開始を予定するCTI Cold Chain(CCC)の冷凍冷蔵倉庫を保管場所とする。現在は日本からの輸送手段は航空便だが、輸入量も増えているので海上輸送に切り替える。当面は海上混載便を使う予定だが、軌道に乗れば和牛以外の食品なども集め、冷凍冷蔵コンテナを自社で仕立てていく。またCCCの冷凍冷蔵倉庫に富良野産黒毛和牛(2016年北海道黒毛和牛品評会No.1)の一定の在庫を置き即納体制を構築しディストリビューションセンターとして活用する。タイ国内での拡販だけでなく、今後は発展中の周辺国にも販路を広げてゆく。

タイを中心とした東南アジアでは日本食の人気が高く、日本食材の輸出が増加傾向にあるが一方で安定したコールドチェーン網の確立に加え、現地での販路の確保が大きな課題となっている。
日成はCCCの株主であり長年タイでの販路を持つ地元大手食肉品卸事業者と提携することで、こうした問題を解決した。